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Irish Seascape

Irish Shellfish
アイルランド産甲殻類・貝類

Working in harmony with nature

アイルランドが誇る美味しいシーフードには様々な甲殻類、貝類があります。この国を囲む雄大な大西洋は、豊かな海洋環境をもたらし、天然、養殖の甲殻類、貝類を育む雄大な揺りかごとなり、冷たく澄んだ海を走る潮目が、生き物たちに自然の滋養分をたっぷりと与えます。アイルランドで水揚げされるエビ、カニといった甲殻類、貝類はどれも唯一無二の素晴らしい風味と際立った個性を持っています。

中でもアイルランドでの牡蠣、ムール貝の養殖事業は持続的な生産、輸出を担保する大切な産業です。アイルランド産貝類輸出業者たちは国家的な食品サステイナブルプロジェクトであるオリジン・グリーン(Origin Green)の参加メンバーとして自然環境への負荷を減らすこと、地域社会発展に寄与すること、そしてまたアイルランドの海面養殖資源を守ることに全力を傾けています。オリジン・グリーンについての詳細は、次のサイトをご参照ください。www.origingreen.ie

日本でも既に知られているアイルランド産甲殻類、貝類の主な品目をいくつかご紹介しましょう。

Irish Langoustines

ラングスティーヌ

アイルランド産天然ラングスティーヌは、繊細な旨味と甘みがぎっしりと詰まった味、食感を持つ最高級のシーフードとして知られています。主な漁場はポーキュパイン、ラバダイ、そしてジョーンズの三つの海域です。

アイルランドでは漁師と加工業者との強いパートナーシップによって、持続的なラングスティーヌ漁が営まれています。最先端の船上加工技術を駆使し漁獲後2時間以内に鮮度と風味をそのままに封じ込めた船凍品には、末端市場からも追跡可能な品質保証ラベルが貼付されます。これにより、安定した品質、食品安全性に対する検証可能な保証が海外市場を含む流通各段階において一貫して提供されます。

アイルランドでは漁師と加工業者たちが手を携えて漁業向上プロジェクト(FIPs)に参加し、多くの公的な相互利益を得ています。漁師と加工業者たちとのパートナーシップの成功にともない、アイルランド産ラングスティーヌ製品に対する輸出市場での信頼と需要は近年順調に高まっています。

BIM(アイルランド漁業開発庁)はFIPを通してラングスティーヌ漁業を常に健全で持続可能な漁業とするため、水産業界との密な協力関係を基に、次の3つの分野で研究と調査を進めています。

  1. 漁業界からの情報の欠如があった場合、あるいは最新の資源管理状況について科学者への迅速且つ恒常的な伝達
  2. 漁業が自然環境に与える負荷を軽減させるため、自然により優しい漁具の開発、試用の促進
  3. 漁獲・水揚げから最終消費地までのトレーサビリティーシステムの構築

アイルランドには約七千㍍トンのラングスティーヌのTACが割り当てられ、毎年この総漁獲許容枠は順調に消化されています。この生産量は、この国の安定的な輸出能力を発揮する上で十分且つ重要な資源となっています。

アイルランド水産業界メンバーは優れたコミュニケーション能力と機動力を発揮しながら、顧客の用途に合わせたホール(姿)、テールなどの様々な形態、異なったサイズの製品を安定的に供給しています。責任ある漁業、水産加工業に一貫して取り組むアイルランドの水産業界の努力は、今後も国際市場にてアイリッシュ・ラングスティーヌへの評価をさらに高めていくことでしょう。

Irish Brown Crab

アイリッシュ・ブラウンクラブ

アイルランドでは一般的に食用クラブ、コモン・クラブと呼ばれるブラウンクラブ(ヨーロッパイチョウガニ)は、アイルランドで水揚げされる甲殻類の中で最も親しまれている蟹です。見た目からは想像できないほどジューシーで旨味たっぷりの身肉が何よりの魅力です。アイルランドは毎年7千㍍トン以上のブラウンクラブを国際市場に出荷し、金額ベースでは国全体として5千五百万ユーロの輸出実績を上げています。

天然の水産資源であるアイリッシュ・ブラウンクラブに漁獲枠は割当てられていません。アイルランド沿岸のほぼ全域で伝統的なカゴ漁が行われていますが、特に北西部の海域では漁獲したカニを活きたまま加工場へ運ぶ設備を搭載した小型船により水揚げされます。ブラウンクラブ漁では将来に亘る持続的資源確保のため、ミニマム漁獲サイズについての規制があります。主な漁獲シーズンは身肉が最も詰まって風味が最高潮に達するといわれる、7月から12月にかけて。経験豊かな漁師たちは、目検分と手応えから抱卵率や身入りのよいカニを船上で瞬時に選別し、サイズの小さい若いカニや身の痩せているカニは活きたまま海に戻します。ブラウンクラブが市場で高い評価を得るまでにはおよそ5年かかります。漁獲が許されているのは甲羅のサイズが最低140mm以上、最大重量は一尾2kgまで、甲羅の長さは200mmまで、それ以下、それ以上のものは海に返すことになっています。

2017年からは漁業向上プロジェクト=FIPがブラウンクラブ漁にも導入され、ブラウンクラブ漁の持続可能性を高める上で着実な成果を生んでいます。FIPを通してアイリッシュ・ブラウンクラブの生産者たちは、最終製品のパーフォーマンス向上につながる海洋資源の健全性確保と効果的な漁業管理を一貫して行うことができるようになりました。 このような自主的な努力が国際市場での評価につながり、アイルランド国全体のブラウンクラブ漁がMSCなど第三者国際機関から持続可能であると認定される日もそう遠くないでしょう。

ブラウンクラブの繊細な身質とコクのある旨味、綺麗な海の風味は人々を魅了してやみません。真っ白な爪肉、卵やみそのたっぷり詰まった甲羅の肉は、メインディッシュ、フレッシュなアペタイザー、揚げ物や煮込み、グリルやサラダやビスク、チャウダーといったサイドディッシュの食材、様々なレシピ・調理方法に広く応用できます。

アイリッシュ・ブラウンクラブ生産総量のおよそ三分の一が活きたまま輸出されます。近年ではチルド製品や冷凍製品が輸出全体の7割を占めるようになり、アイルランドの主要な対外輸出品目になっています。

アイリッシュ・ブラウンクラブ製品には、活物、ボイル姿のチルド・冷凍、ハーフカット、低温殺菌パック入り姿、カクテル・クロー(爪)、クラブミートといった種類があります。

 

Irish Whelk

アイルランド産つぶ貝

爽やかな潮の香り、天然の旨味、噛むほどに口に広がる甘さ、ジューシーさがぎっしりと詰まったアイルランドのつぶ貝。 北大西洋に面したヨーロッパ最西端に位置する島国、アイルランドはEU海域随一の豊かな天然のつぶ貝の宝庫です。他国産のものに比べてやや小ぶりで丸い形をしたアイルランド産つぶ貝は、北大西洋の海底に群生する二百五十種類もの天然海藻類に含まれるミネラルを取り込んだ薄い翡翠色、緑がかった灰色の身色、独特の歯ごたえが特徴で、優れた差別化ポイントになります。

アイルランドの漁業者、加工業者たちは、ここ数年、珠玉の産品であるつぶ貝の主要な市場に成長した日本市場からのニーズに大きな関心を払っています。アイルランドでのつぶ貝漁は決して大規模ではありません。商業漁獲ライセンスを持った漁船のサイズはおしなべて小さく、そのほとんどは朝出船し、近海の漁場でつぶ貝を獲り、同日夕方港に戻って水揚げを行います。それでも、全ての漁師たちは、EUの厳しい持続可能性の基準に則り、商業的水揚げが許されているサイズ基準をはじめとする資源保全のための様々なルールを率先して守っています。

アイルランドでは、2006年につぶ貝資源保全規則が制定され、商業つぶ貝漁が今後次の世代にわたり持続的なものになるよう、明確な枠組みと様々な対策が作られました。

アイルランドでは環境保全、資源管理に最大限注力しつつ、つぶ貝生産が商業的成功を収めながら輸出市場、特に日本やアジア諸国の需要に応えることができるよう、国と水産業界が協力しあって安定的な品質向上、輸出振興にあたっています。 アイルランド産のつぶ貝は活、冷凍殻付き、ボイル冷凍、生冷製品など顧客の要望に合わせた各種製品として国際市場に流通しています。通年で市場流通が可能なアイルランド産のつぶ貝は、数量、価格に大きな変動がなく、品質やスペックも厳しく管理されているため、国際バイヤーたちは安心して生、ボイル製品共に長期的な調達計画を立てることができます。

アイルランド水産物輸出品目中、2019年度実績では、つぶ貝は金額ベースで第7位の主要品目となり、数量ベースでおよそ2千トン、金額ベースでは2千万ユーロ(約30億円)の輸出実績を達成しました。

Irish Oysters

アイリッシュ・オイスター

現在アイルランドで養殖されている牡蠣は、アイリッシュ・ロックオイスターと在来種のヨーロッパ・ヒラガキの二種類です。アイリッシュ・オイスターが市場サイズに育つまでにはおよそ3年から4年の歳月がかかります。その間、人工的な飼料を与える必要は全くなく、大西洋の海水に含まれる豊富なプランクトンと滋養分だけで育つアイリッシュオイスター生産が自然環境に与える負荷はゼロに等しいのです。アイルランド島を囲む大西洋の絶え間ない海流が複雑に入り組んだ入江に注ぎ込み、牡蠣の身をいわゆる涙の雫の形にすると言われます。アイリッシュ・オイスターの一粒一粒に独特の味わいがあるのは、大西洋の海と澄み切った川が交じり合い、手つかずの自然のミネラルが含まれる綺麗な汽水の中で育つからこそです。

今日アイルランドでは年間約1万トンを超える生牡蠣を養殖し、国際的小売、外食業界向けに出荷をしています。近年では、アイリッシュオイスター総輸出量の20%の仕向け先をアジア諸国が占めるようになり、今後も順調な成長が見込まれています。

高品質で安全なプレアムオイスターへの高まる需要に応えるため日々努力を重ねるアイルランドの牡蠣生産者たち。彼らは高品質なフレッシュオイスターのサステイナブルなサプライヤーとして、これからも国際市場から大きな信頼を勝ち得ていくことでしょう。

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